2024年6月に開催した露文合宿について、2年生の鈴木遙海さんに報告記をお寄せいただきました。
2024年露文合宿報告 2年 鈴木遙海
露文コースの合宿へ行ってきた。
多分におぼろげだが、最初に電車に乗ったのは確かだ。学生の多分に漏れず金欠に喘ぐ、もとい吝嗇であった私は、節約と見聞を兼ねて三人の同窓生と共に途中までの旅路を在来線で、それからを歩きで露文コースの合宿へと向かうことにした。3000円くらいにまで節約できたはずだ。横川から軽井沢までを繋いでいた廃線の上を歩き、隧道の闇を掻き分けて曲がりくねった山路へ突入。延々と続く道路沿いを歩き続け、カーブが百を越える頃には口数は反比例して少なくなっていた。
セミナー・ハウスに着いたあとはすぐさま汗を流しに風呂場へ直行。初めて使う設備のことがわからず苦戦して、なんとか夕食にありついて議会が始まる。まずはロシア語で軽く自己紹介をして、「я стараюсь, мне нравится…」といった具合に各々自己紹介をする。先生の講義が続いてそのままフリー・トーク。明日もあるので、ほどほどの時間で眠りにつく。
翌朝はそれぞれ全く違う時刻に目覚めた。思い思いに過ごして、撓んだ午前の時間が流れていった。私は軽井沢周辺を散策した。1000m近い標高の空気が心地よく、俳優の某が移住したくなる気持ちも四六時中蒸し暑いこの国にあってはよくわかった。
時計の針が真上を指した少し後、バーベキューが始まった。薪をくべ、肉を野菜を魚介を並べてよく焼く。思うように火がつかず少し手間取ったが、皆で試行錯誤を繰り返したこともあり味はなかなかだった。
夜は学生による発表会。音楽やら植生やら、それぞれの興味がうかがえるものだった。私が一番興味を惹かれたのは、連邦内のある国についての話だった。資源の潤沢な地域だが、利権目当ての移住者が増えてきているらしい。
それが終わると昨日と同じくフリー・トーク。旅先の話やボナパルティストの話をして楽しかったが、一番傾聴に値するのはやはり、ロシアにまつわる個人的体験であろう。現地での笑い話や、ある大作家の人となりについて聞くことができるのは、大なり小なりロシアに興味を持っている人々の集まりである露文だからに他ならない。
宴もたけなわと言ったところで就寝、朝が来て、皆違った方法で帰っていく。私は数人の同窓生と駅まで行って、軽井沢駅から池袋までバスで帰った。値段は行きと同じ3000円くらいだった。